喪中はがき|続柄・時期・範囲などよくある質問とマナー

近親者に不幸があった場合、年賀状を控える代わりに「喪中はがき」を出すのが一般的ですが、年賀状と異なり、あまり書いたり出したりした経験がない方も多いと思います。

喪中はがきを準備するにあたり、いつまでに出せばいいのか?いったい誰(どの関係の相手)まで出せばいいのか?そもそも、近親者とはどこまでなのか?など、慣れないことだと疑問や不安に思うこともありますよね。

今回は、それらのよくある疑問にお応えします。

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1.喪中はがきの目的・意味

●喪中はがきの目的

喪中はがきとは、近親者に不幸があって喪中の場合に、先方に対して「新年の挨拶を控えることをお詫びする」のが目的です。(※年賀欠礼状といいます)
決して「不幸があったことを知らせる」のが目的ではありませんので、この点を誤解のないように覚えておきましょう。

●目的と意味を知る大切さ

冠婚葬祭に限らず、マナーや礼儀を覚えるには目的・意味を知ることが大事です。
目的・意味を知ると「覚えやすく・忘れにくい」効果もありますし、何よりその他の不慣れな場面に遭遇した際も応用が利く(適切な判断が出来る)ようになり、周囲からも「礼儀を心得た人」といった評価を得られるようになると思います。

●最低でも覚えておきたい用語と意味

【喪】・・・近親者に不幸があった際に、故人を偲んで冥福を祈り、晴れがましいことや派手なこと、めでたい行事などをさけ、つつましく過ごすことを意味します。
※「喪に服す」といった形でよく使われるのを耳にしたことがあると思います。

【喪中】・・・喪に服している間や、その期間のことをさして使われます。
※喪に服すことを「服喪(ふくも)」ともいいます。

【忌中・忌服】・・・喪中と似た言葉ですが、厳密には神道と仏教の違いをはじめ、考え方も対象も別物で、一般に、四十九日(※宗派等により違いあり)を過ぎるまでを忌中、服す期間を忌服と呼びます。
※喪中といえば、一般的に法要後・忌明け以後の一定期間をさして使います。
※詳しくは、本記事と主旨が異なるので各専門サイト等をご参照ください。

2.近親者とはどこまでの範囲か?

さて、ここで「近親者」とは具体的にどこまでをさすのか?
家族・親族など身内に不幸があったのだけれど、自分は年賀状を控えて喪中はがきを出すべきかどうか、迷う方は意外に多いと思います。

●喪に服す近親者の範囲は、一般的に二親等まで

不幸があった際に喪に服すのは、一般的に二親等までの近親者となります。
そのため、喪中はがきを出すのも、同様に二親等以内の近親者の場合で良いと思います。

※故人との親密さ、関係によって喪に服すのはもちろん自由ですが、不幸があったことが相手に知れますので、先方にも気を遣わせることになる点に配慮しましょう。

3.続柄の表記の仕方

さて、近親者の範囲が分かりましたが、続柄の表記はどうすればいいのか?

続柄(つづきがら)とは、本人から見た場合の故人との関係を表す言葉です。
故人が1親等の場合は困ることもないと思いますが、2親等になると、どう表記すれば良いのか迷うケースもあるようです。

参考までに、二親等までの近親者に関する一般的な表記例を紹介します。

4.喪中の期間

喪中とはいつからいつまでを指すのか?
例えば近親者がご逝去されたのが1月や2月だった場合も喪中はがきにすべきか?
期間についてお悩みになる方も多いと思います。

●現代の法律に規定はなく、慣習と慣例で判断

歴史を遡れば、奈良時代の「養老律令」や江戸時代の「服忌令」をはじめ、明治時代にも喪中に関する布告はありますが、現代の法律による規定はありません。

そのため、過去の慣例や慣習に基づき、各自で判断するのが実情で、迷う場合は両親や親族など近しい方に相談するのが良いと思います。

なお、一般的に多い期間を参考として下に記載しますが、実際には故人との関係や、親密さ、悲しみの深さなど、様々な事情で当人の心の整理に費やす時間は異なると思いますので、あくまでもこれが正解というものではなく、参考としてください。

【父母(配偶者の父母)】・・・12~13か月
【祖父母(配偶者の祖父母)】・・・3~6か月
【兄弟・姉妹】・・・1~6か月
【子供】・・・3か月~12か月

5.喪中はがきを出す相手

お葬式の出席者は全員にだすべきか?親族は?会社の取引先は?といったように、喪中はがきは「どこまでの相手に出すべきか?」というご相談やご質問をよく頂きます。

喪中はがきを出す相手、範囲に悩んだ時は、既に本記事で述べた「喪中はがきの目的・意味」を思い出してください。

●新年の挨拶を控える事が失礼にあたる相手に出す

喪中はがきは「新年の挨拶を控えることを詫びる欠礼状」ですから、「何の連絡もなしに挨拶を控えることが失礼にあたる相手かどうか」を考えると、迷わずに済むと思います。

具体的には、例年、年賀状を交わしている相手ではないのなら、例えお葬式の出席者であっても、出す必要はないと思います。

逆に、毎年年賀状を交わしている相手に何の連絡もなしに挨拶を控えては、要らぬ心配を掛けたり、不快感を与えてしまう恐れがありますので、挨拶を控える旨を詫びておく(=喪中はがきを出しておく)のが良いと思います。

●先方に気を遣わせる側面も考慮して判断する

喪中はがきが届くということは、当然ながら差出人にとって不幸があったことも意味しますので、主目的ではないにしろ、先方に気を遣わせることになってしまう側面もあります。

そのため、例えば仕事の取引先の相手などであれば、あえて触れない選択肢もあると思いますし、個人であっても、不幸があった時期が年末に近かったり、多忙な時期であった場合には、喪中はがきではなく、年始の松の内(1月7日)を開けてから、「寒中見舞い」を出すといった選択肢を選ぶ方法もあります。

6.喪中はがきを出す時期は?

くどいようですが、目的は「新年の挨拶を控えることを詫びる」ことですので、当然、先方のお手元には年内のうちに届くように出す必要があります。

また、年賀状は「喪中の相手には出さない」ものとして一般的に認知されていますし、「4.喪中はがきを出す相手」の最後でも触れたように、年賀状を出した相手から喪中はがきが届いた場合、気を遣わせてしまうことにもなりますので、「先方が年賀状の準備を始める前に届ける」のが理想的です。

日本郵便株式会社による年賀はがきの発売が10月末で、受付開始が12月中旬になりますので、遅くとも、12月の上旬まで、出来れば11月下旬頃には、投函するのが良いでしょう。

7.喪中はがきの内容・文章・文例

喪中はがきに書く内容は、こうでなくてはならないという決まりはありません。
ただ、故人を偲んでいるために出すはがきですから、一般的な礼儀・節度を大きく外れたものであっては考え物ですよね。

●慣習・慣例に基づく一般的な形式

慣習・慣例に基づく一般的な形式としては、次の内容を書きます。

①喪中のため新年の挨拶を控える旨
②これまで先方から頂戴した温情等に対する感謝の気持ち
③今後に対するご挨拶

以上の3点を踏まえていれば、喪中はがきの体裁としてまず問題ないと思います。
もちろん、差出年月と差出人住所・氏名は忘れてはいけません。

あとは、相手や場合によって以下のような内容を追加しても良いでしょう。

④故人についての情報と報告
⑤自分のことではなく先方に対するいたわりや気遣いの気持ちを一言

上記の④に関しては、記載するならば①と②の間に入れるのが一般的で、故人のお名前と共に、差出人から見た続柄、逝去された日付、ご年齢などを添えると良いでしょう。
また、本文の最後に上記⑤を添えられれば、ほぼ完璧といえます。

なお、故人の情報は、必ずしも必要という訳ではありません。

なぜなら、喪中はがきはそもそも「挨拶を控えることを詫びる」ものですから、目的を考えれば、わざわざ「不幸の詳細」まで伝える必要性はありません。特に、送る相手が故人に対して特に面識や付き合いがない場合、むしろ不要な情報とも言えます。

逆にいえば、故人とも面識や付き合いがあり、諸事情から葬儀には参列されなかった方に送る場合や、葬儀を近親者のみで行い、亡くなったこと自体をお知らせしていない方に送る場合などは、故人の逝去日や享年といった情報を記載した方が、先方に対して親切とも言えます。

そのため、本記事では「相手や場合によって追加する内容」としました。

●文章・文例

前述の「慣習・慣例に基づく一般的な形式」を踏まえると、以下のような文になります。

文例1)

 喪中につき新年のご挨拶を失礼させて頂きます

 父 西岡太郎が ●月●日に●●歳で永眠いたしました
 本年中に賜りましたご厚情を深謝申し上げます
 明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
  平成●年●月

文例2)

 喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます

 父 西岡太郎が ●月●日に●●歳で永眠いたしました
 尚 葬儀は故人の希望により近親者のみで執り行いました
 ここに生前のご厚情に深謝いたしますと共に
 ご通知が遅くなりましたことお詫び申し上げます
 なお時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます
  平成●年●月

なお、近年、喪中はがきの文化・風潮にも少しずつ変化があり、例えば相手によって喪中はがきと年賀状を使い分けるなど、色々と柔軟に対応するケースも増えてきているようです。

例えば、「自分は喪中だけど、先方からの年賀状は受け取りたい」といった場合であれば、本文末に「例年通り年賀状を出してください」と書いてしまう方法もあります。

文例3)

 喪中につき新年のご挨拶を失礼させて頂きます

 父 西岡太郎が ●月●日に●●歳で永眠いたしました
 本年中に賜りましたご厚情を深謝申し上げます
 明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
 なお 皆様からのお年始状は楽しみにしておりますので
 こちらの喪中に関係なくお送りいただけましたら幸いです
  平成●年●月

8.まとめ

本記事で述べてきた内容を総括しますと、
喪中はがきは、不幸があったことを知らせるのが目的ではなく、新年の挨拶を控える事を詫びるのが目的です。

そのため、喪中はがきを出すべき範囲、相手、時期などは、次の点を過不足なく記載すれば礼を失することはないと思います。

●二親等以内の近親者に不幸があった場合に
●年賀状を例年交わしている方などへ
●新年の挨拶を控えることを詫びる旨を
●先方が年賀状の準備を始める前に
●作成・投函する

※喪中はがきの印刷をお考えの方は、弊社でも承っておりますので是非ご利用ください。

喪中はがき.com

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