Canvaを使うと文字・文章のレイアウトが簡単に行えます。
印刷物、Web等のデザインでは、必ず文字や文章を編集する必要があります。
そのため、「文字や文章の編集作業が簡単にできる」という事は、デザイン・レイアウトの編集ソフトでは必須条件と言えるでしょう。
多くの文書作成やデザイン作成ソフトでは、アイコンやツールバーからテキストボックス配置やテキスト編集ができますが、Canvaでも同じ様にテキストボックスと編集ツールがあり、文字、文章のレイアウトが簡単に行えます。
Canvaの文字・文章編集は、テキストボックスが基本です。
Canvaでは、文字・文章を作成・編集する時は、編集ページ（編集できるキャンバスのことを編集ページと言います）にテキストボックスを設置し、そのボックスを使って、テキストの配置・入力・編集を行います。
配置したテキストボックスは、サイズ調整やエフェクトの追加など、文字や文章のレイアウトを整えることができます。
編集ページにテキストボックスを配置するには
テキストボックスは、編集ページの「テキスト」のメニューから作成できます。
編集ページを開き左のメニュー一覧にある「テキスト」ボタンをクリックすると、テキストのメニュー一覧が右に表示されます。
テキストのメニュー一覧には、「テキストボックスを追加」や「見出しを追加」など、テキストボックスの追加ボタンを押して、編集ページにテキストボックスを追加します。
◯「テキストボックスを追加」ボタンを押すと、編集ページにテキストボックスが追加されます。
◯「デフォルトのテキストスタイル」では、見出し、小見出し、本文など、デフォルトでサイズが決まっているテキストボックスが用意されています。
◯「フォントの組み合わせ」では、一つのテキストボックスに2つのフォントを使ったテンプレートが用意されています。
キャッチコピーやお店の名前をデザインする場合に効果的に使えます。
テキストボックスに文字、文章を入力し、サイズや書体、色など設定することでページに文字、文章を配置することが出来ます。
テキストボックスの使い方（各種設定、操作方法）
テキストボックスの拡大縮小やレイアウトの調整などのボックス自体の設定・操作方法について詳しく紹介します。
テキストボックスを移動させる
テキストボックスを移動するには、テキストボックスをクリックしたまま移動させるか、選択した状態で、上下左右キーを押すと、移動させることが出来ます。
ボックス内のテキストが選択されている状態ですと移動できませんので、テキストボックス自体を選択状態にする必要があります。
テキストボックスを拡大縮小する。
テキストボックスは、四隅にある丸（◯）をクリックして移動すると、ボックス内の文字の配置はそのままで、ボックス全体を拡大縮小できます。
文字サイズはテキストボックスのサイズと同じ比率で拡大縮小します。
テキストボックスのサイズを変更する。
テキストボックスの左右の辺の中央にある長方形をクリックして動かすと、文字のサイズを変えずにテキストボックスのサイズを変更することが出来ます。
ボックスの横幅は左右に自由に変更できますが、高さは自由に変更できず、自動で調整されます。
テキストボックスを回転する
テキストボックスの下部（レイアウトにより横に出る場合もあります）に、丸の中に回転する矢印のイラストがある「回転ボタン」が出ています。
この「回転ボタン」をクリックしたままドラッグすると、テキストボックスは回転します。
文字も、回転に合わせて斜めに表示されます。
- 文字だけを水平状態に保ちつつ、テキストボックスだけを回転させることはできません。
- 回転中にシフトボタン（↑Shiftボタン）を押すと、テキストボックスの拡大・縮小できます。
- 回転中は何度に傾いたかの度数が出ます。数値を見て決めたい場合は参考になります。
■文字を回転させる際に気をつける点
テキストボックスの回転となるため、
テキストボックス内のテキストを部分的に選択して回転させることはできません。
一部の文字や文章を回転させたい場合は、回転させたい箇所を別のテキストボックスで作成し、それぞれに回転を設定する必要があります。
テキストボックス上のアイコンバーについて
テキストボックスを選択すると、すぐ上にアイコンバーが表示されます。
アイコンが6つ表示されます。
左のアイコンから
- マジック作文（使用回数制限あり）
- コメント・・・テキストボックスにコメントを追加できます。
- ロック・・・テキストボックスをロックできます。
- 複製・・・テキストボックスを複製して配置します。
- 削除・・・テキストボックスを削除します。
- ・・・（もっと見る）・・・プルダウンのリストが表示されます。その他様々な機能があります。
となります。
マジック作文
「マジック作文」とは、キーワードやテーマを入力するだけで、AIが自動的に文章を作成してくれるサービスです。
文章の書き換えや短縮化、校正、言い換えなど様々な機能があります。
無料版の場合は、1ヶ月に50回まで利用可能です。
文章の書き換えや校正ができます。
コメント
テキストボックスにコメントを追加できます。
コメントは印刷されませんので、共有して複数名で作業する場合や、メモとして活用できます。
ロック
ロックボタンを押すと、テキストボックスがロックされ、テキストボックスの移動、文字の入力削除などがロックされます。
ロックは解除されるまでテキストボックスの移動や書き換え、効果の指定などができません。
ロックボタンをもう一度押すと解除されます。
複製
複製ボタンを押すと、テキストボックスがコピーされます。
ななめ下に重なって配置されます。
削除
削除ボタンを押すとテキストボックスが削除されます。
テキストボックスを選択した状態でBackSpaceキーやDeleteキーを押しても削除できますが、削除対象を間違えないように個別に削除したい時などに便利です。
・・・（もっと見る）
・・・のアイコンは「もっと見る」ボタンです。
クリックするとリストが表示されます。
コピーや貼り付けなど選択できます。
ショートカットキーの記載もあるので、確認できます。
作業のスピードアップには欠かせないショートカットキーの確認にも便利です。
文字のツールバーを使って文字を設定する
文字ツールバーを使う
ページ編集では、テキストボックスや文字を選択すると、上部にツールバーが表示されます。
ツールバーをクリックすることで、タブが開いたり、レイアウト、効果が選択しているテキストボックスや文字に反映されます。
ツールバーには、左から以下の通りの順番でボタンが配置されています。
- フォントの変更
- フォントサイズの変更
- テキストの色の変更
- テキストの太字・斜体・下線・取り消し線
- テキストの大文字
- テキストの揃え
- テキストの箇条書き
- テキストのスペース
- テキストの詳細な書式設定
- 縦書きのテキスト
- テキストの透明度
- テキストのエフェクト
- テキストのアニメーション
- テキストの配置
- テキストスタイルのコピー
それぞれのボタンについて説明します。
１．フォントの変更
ツールバーの一番左にある「フォント名」部分をクリックすると、フォントのタブが開き、フォントを選択、変更することができます。
無料版の場合は、Canvaで用意されているフォントのみ利用できます。
（☆のあるフォントは有料のみ）
※フォントの変更は、１行単位となります。
1行で違うフォントを複数使いたい場合は、テキストボックスを別にして、並べる必要があります。
２．フォントサイズの変更
ツールバーのフォントのサイズは左右の-、+のボタンをクリックするとフォントサイズを拡大縮小できます。
数字部分をクリックすると、サイズ一覧がプルダウンで表示されます。
また、数字を入力してフォントサイズを変更することも可能です。
※フォントサイズの変更は１行単位となります。
テキストボックス内では、文字単位でサイズの変更ではできません。
1行の中で一部の文字だけを大きくしたい場合は、テキストボックスを別にする必要があります。
３．テキストの色の変更
テキストの色ボタンをクリックすると、カラーのタブが表示されます。
テキストの色を変更したい場合は、カラーパレットで作成したり、デフォルトの色をクリックすると、色が変わります。
※文字の色は、同じテキストボックス内でも１文字づつ変更することができます。
４．テキストの太字・斜体・下線・取り消し線
ツールバーの「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」ボタンを押すと、選択しているテキストボックスまたは、テキスト部分に「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」それぞれの効果を追加できます。
「太字」「斜体」はフォントファミリーに無い場合はボタンが非表示になり、変更できません。
また、下線や取り消し線も反映されない場合があります。
※「太字」「斜体」「下線」「取り消し線」は、同じテキストボックス内でも、一文字づつ指定することが可能です。
５．テキストの大文字
ツールバーの「大文字」ボタンを押すと、アルファベットの小文字が大文字に変換されます。
ですが、大文字で入力すると、ボタンを押しても小文字にはなりません。
※大文字・小文字の切り替えは1行単位となります。
一部を選択して、「大文字」ボタンを押すと、1行が大文字に置き換わります。
６．テキストの揃え
ツールバーの「配置」をクリックすると、テキストボックスの揃えが変わります。
デフォルトでは、中央揃えですが、その状態からですと、
中央揃え→左揃え→均等割付→右揃え→
とクリック毎にテキストボックスの配置が変わります。
それ以外は、
左揃え→中央揃え→右揃え→均等割付→
の順番で変わります。
※揃えは、1行単位で指定可能です。
７．テキストの箇条書き
「箇条書き」をクリックすると、選択しているリストボックスまたは行がリストになります。
黒丸リスト→ナンバーリスト→解除→
とクリック毎にリストが変わります。
８．テキストのスペース
「スペース」をクリックすると、文字間隔と行間隔を変更できるスライドバーが表示されます。
間隔が広がるとテキストボックスも拡大します。
「テキストボックスの固定」は、拡大（縮小）の起点を決めることができます。
上を固定するか、中央固定、下固定の3つから選べます。
９．テキストの詳細な書式設定
「詳細な書式設定」をクリックすると、「テキストの配置」で文字の配置（上付、下付）と「タイポグラフィ」でカーニング（文字詰め）、リガチャー（合字）のチェックを入れられます。
１０．縦書きのテキスト
「縦書きのテキスト」ボタンを押すと、テキストボックスが縦書きになります。
１１．テキストの透明度
「透明度」ボタンを押すと、選択したテキストボックスの透明度を変更できます。
デフォルトでは100ですが、スライドバーを左に移動して数値を下げ、透明度を変更できます。
１２．テキストのエフェクト
■エフェクト
「エフェクト」のボタンを押すと、「エフェクト」の一覧タブが表示されます。
影を付けたり、縁取り文字や袋文字など文字の効果をつけたり、テキストを湾曲することができます。
■湾曲
湾曲ボタンを押すと、テキストボックス内の文字を湾曲させることができます。
ロゴマークやアイコンなどにも活用できる効果です。
１３．テキストのアニメーション
「アニメーション」ボタンを押すと、「アニメーション」のタブが表示されます。
印刷用データでは使用しませんが、テキストボックスにアニメーションの効果をつけることができます。
文字を回転したり移動したりフェードイン、アウトもできます。
１４．テキストの配置
「配置」を押すと、配置のタブが表示されます。
配置では、テキストボックスを前背面へ移動させることができます。
また、選択したテキストボックスを揃えたり、サイズ、位置の入力が可能です。
「配置」タブの右側の「レイヤー」タブをクリックすると、レイアウトされているテキストボックスや画像などのアイテムの一覧が表示されます。
アイテムを移動させることで前背面（レイヤー）を移動させることができます。
また、デフォルトでは、全て表示されていますが、「オーバーラップ」のタブをクリックすると、選択しているアイテムと重なっているアイテムのみを表示してくれます。
複雑なレイアウトや重なりの多いレイアウトの場合は「オーバーラップ」で必要なアイテムのみを表示してレイヤーを移動させると使いやすいです。
１５．テキストスタイルのコピー
「スタイルのコピー」をクリックすると、テキストボックスのスタイルをコピーできます。
テキストボックスを選択している状態でアイコンをクリックすると、カーソルがペイントローラーの形をしたアイコンに変わります。
その状態で、他のテキストボックスをクリックすると、最初に選択したテキストボックスと同じスタイルをにコピーすることができます。
Canvaのテキストボックスでできないこと
Canvaのテキストボックスはわかりやすく、アイコンやタブから色や効果を選べるため、とても使いやすいのですが、他のデザインツールではできるのに、Canvaではできない点が何点かあります。
- テキストボックスの文章の書体（フォント）は、ボックスまたは1行毎での指定となる。
- エフェクトやスタイルはテキストボックス毎での指定がほとんど。
- 長体（縦長）や平体（横長）の文字にできない。
- 太文字や斜体のファミリーがないフォントは変更できない。
- 回転はテキストボックス毎となり、ボックス内の文字を個別に回転はできない。
これらの使いにくい点はありますが、テキストボックスを分けるなどで解決できる点もあります。
今までアップデートで改善された事も多数ありますので、今後改善されるかもしれませんね。
まとめ
Canvaのテキスト編集について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
テキスト配置や効果・設定の多くはテキストボックス単位で適用されるため、文字ごとに細かい調整ができないという制約があります。
しかし、その分テキストボックスの編集操作はシンプルで直感的なので、デザイン初心者でもタイトルや文章のレイアウトが手軽に出来るので、非常に使いやすいツールだといえるのではないでしょうか。
