「最強の製本」と言っても過言ではない「PUR製本」。
PUR製本は従来のホットメルトと比べると強度、耐久性、開口性において 格段に優れていると言われています。
その反面、コストがかかることと製本工程が難しいことから、業界での導入は一部分にとどまっているのが現状です。
しかし、PUR製本は従来の製本方法よりはお客様にとってメリットがありますので、弊社では、オンデマンド印刷の工程において、全ての無線綴じ製本をPURで行なっています。
これは業界内でも少数派で、製本機メーカーさんも弊社の事例は大変珍しいとの評価をもらっています。
そこで今回、あまり公表されていないPUR製本の製本工程をご紹介いたしますので、ご覧ください。
そもそも、PUR製本ってどんな製本?
そもそもPUR製本とはどんな製本なのでしょうか?
百聞は一見に如かずなので、まずは以下の写真をご覧ください。
従来の無線綴じ製本に比べて、開きが大きいのが分かると思います。
従来の製本方法だと、こんな感じですね↓
今までの無線綴じ製本は、ノド元まで開くことが出来ずに、隠れていました。
見開き写真やページ数の多い冊子ではノド部分が見辛い問題点がありました。
PUR製本は、こんな感じです↓
従来の無線綴じよりも開きが良いため、見開き写真もこれまでよりもグッと見やすく、ページ数の多い冊子でも読みやすい冊子ができます。
また、接着強度が高いのも大きな特徴です。
綴じの糊部分に接着強度が高い「PUR系ホットメルト接着剤」を使用します。その接着強度は従来の2倍以上!
ページ数の多い冊子でも頑丈に製本することが可能です。
また、この接着剤はポリウレタン系のため、強度に加え綴じ部分の柔軟性も高く、ノドがよく開きます。
PUR製本の工程を一挙ご紹介!
さあいよいよ、PUR製本の工程をご紹介していきます。
これがPUR製本機です。↓
ここに、PUR製本専用の糊を流し込みます。↓
PUR製本は、この糊に最大の特徴があり、従来の製本用糊の2倍の強度を持っています。
さらに耐久性も非常に優れていて、夏場の暑い車内に本を放置していても接着剤が溶ける心配はありません。
マイナス30度からプラス100度の範囲で、冊子の形状を維持します。
今までの製本では上記のような過酷な環境では、紙の引き抜けや、本の割れが発生する場合がありましたが、PUR製本はそうした心配がありません。
こうしたメリットを生んでいるのが、この糊なんです。
PUR製本の糊は、すごくデリケート
ただし、この糊を使った工程は非常にデリケートです。
糊を製本機に投入してから3〜4時間内に製本を終わらせないと、冷えて固まってしまいます
一旦固まった糊は、通常の製本用糊と比べて2倍以上の強度を持つのですが、とにかく通常の糊に比べて、固まるのが早いんです。
いったん固まった糊は、再度温めても元に戻りません。だから捨てるしかないという、シビアな糊です。
(通常の製本糊は、固まるまでの時間が長く、いったん固まってしまっても再度温めてあげると溶けて再利用できます。)
これは、PUR製本糊を保管しておく機械。常時120℃の温度で管理されています。↓
製本工程をしっかり管理して、スケジュール調整をしないと効率が悪くなってコストアップになってしまいます。
これが、他の印刷会社がPUR製本の導入を躊躇する理由です。
また、PUR製本の注文だけ、製本料金が高いというケースが多いです。
弊社は試行錯誤を繰り返し、製本工程の効率化とスケジュール管理によって、効率よくPUR製本ができるノウハウを蓄積しました。
それでも、一般の製本工程よりはコストはかかっています。
でも、お客様にとってメリットの多い製本形式なので、コストはかかってもより良いものを提供したい!そういう思いで、料金据え置きでPUR製本をご提供しています。
冊子をセット→製本!
糊のセッティングが終わったら、冊子をセットして製本スタート!
製本は、製本機の画面からタッチパネルで操作します。
製本完了
1冊製本するのに、わずか数秒で完成。
これが製本したばかりの冊子です。
糊が冷えて固まると、ガバッと開けて、しかも強固な冊子の出来上がりです。
今後、冊子はPUR製本が増えていくと思われます。
弊社ではいち早くPUR製本のメリットに着目し、お客様にPUR製本のメリットを感じ取っていただくために頑張っています。
最後に、使い終わった糊は毎日キレイに剥がして掃除しています。
PUR製本をお試しいただける弊社サイトは、以下の通りです。
サイト オンデマンド印刷の冊子印刷・製本専門店【冊子印刷工房】
サイト 少部数・小ロット印刷専門店【オンデマンドP】
サイト 同人誌印刷の【Dメイト】
サイト 学会関連の印刷専門サイト【学会印刷ドットコム】
サイト オリジナルノートの印刷・作成【ノート本舗】