EDLP戦略でチラシ需要がなくなる。印刷会社はどう対応すべきか?

地元のスーパーマーケットが、新聞折込チラシを廃止しました。理由は、毎日が格安で商品を提供する「EDLP戦略」を行うためだそうです。
「EDLP」とは、Every Day Low Price(エブリデイ・ロー・プライス)の略で、その名の通り「毎日安い」を売りにする価格戦略です。

今までのスーパーは、新聞折り込みチラシで、特売商品を目玉にして集客するという「ハイ・ロー戦略」を行っていたのですが、EDLPでは折込チラシを入れずに「毎日安い」という戦略で集客します。

米ウォルマートがこの戦略で大成功を収めていることでも有名です。

さて、それはまあ、スーパーマーケットの戦略なので、正しいか正しくないかはここでは議論しません。
印刷会社にとって重要なのは、EDLP戦略によって折込チラシの需要がゼロになることです。
これ、恐怖でしかないですよ。

今まで、数千万円〜数億円稼いでいた折込チラシの売上が、突然ゼロになるわけです。

そこで今回は、EDLP戦略によって印刷業界がどんな影響を受けるか、考察してみたいと思います。

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業界全体に影響が・・・

この動きは業界全体に影響を与える可能性があります。
新聞折込チラシは印刷業界にとって重要な収入源であり、多くの印刷会社がこれを通じて収益を得てきました。
そのため、このチラシの廃止は業界全体にとって大きな変化をもたらす可能性があります。

スーパーマーケットがEDLP(Everyday Low Price)戦略を採用することで、顧客により安価で商品を提供し、競争力を高めることができるという利点もあります。これにより、消費者がより手軽に商品を入手できるようになり、スーパーマーケットの売り上げ増加につながる可能性があります。

そのため、EDLP戦略の効果が日本全国のスーパーで認知され、実践されると全国にその動きが波及していく可能性があるわけです。

となると、新聞折込チラシが急に「廃止」ということになってしまう可能性があります。

新たな収益モデルの構築が急務

印刷会社としては、新聞折込チラシの廃止により収益が減少することが懸念されます。

そもそも、新聞を購読する家庭が減っているので、折込チラシの効果も相対的に減少しているので、「チラシで集客する」という従来の集客手法がコスパが悪くなっているのも事実です。

これまでの収益モデルが崩れることで、印刷会社は新たな収益源を見つける必要があります。可能な対策としては、デジタル広告や印刷物の多様化などが挙げられますが、これらの対策はすぐに効果を上げるわけではありません。

印刷会社は、「紙にインクを乗せて刷る」というハード面での提案ではなく、Web等を使った集客手法を提案するなど、業務形態を大きく変える必要があるのです。

イノベーションを促す契機になるか?

プラス面で考えると、このような変化は業界全体のイノベーションを促す契機ともなり得ます。

印刷会社は顧客のニーズに応える新しいサービスや商品を開発し、競争力を維持するために努力する必要があります。そのためには、市場のトレンドや顧客の要望を常に把握し、柔軟に対応していくことが不可欠です。

折込チラシを売上のメインにしている印刷会社は、EDLPの動きは恐怖でしかないと思いますが、こればっかりがいくら嘆いても世の中が変わっていく中で、仕方がありません。

トヨタも、紙のカタログを廃止する動きですし、チラシやカタログの分野では、ますます「紙離れ」が進んでいくことでしょう。
それに変わる新たな価値をどう創出していくか。
印刷会社にとっては、こうした外部環境の急激な変化に対応し、業態を素早く変えたり、新しい価値を作り出す柔軟性が求められているのです。

今まで、受注産業として御用聞き営業でなんとかなっていた営業体制も、大きく変える必要性がありそうです。

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